イスラエル:高い女性エンジニア率の秘密。三木ありささんインタビュー

EdTechWomen – Tokyo (ETW) はEdTech領域で働く女性のリーダーシップ支援をするプロフェッショナルネットワークです。

イスラエルの女性の理系、エンジニア率は米国よりも高く、女性のSTEM分野 (Science, Technology, Engineering, and Math) 活動は世界の中でも高水準だと注目を浴びています。その背景としてイスラエルの「プログラミング教育」や「Science Bar」などイスラエルならではのカルチャーにヒントが隠されています

そこで今回は、イスラエルのプログラミング教育の代表的な教材「CodeMonkey(コードモンキー)」の日本進出を助けながら、仕事も家庭も両立上手なイスラエル女性のパワフルな文化を日本に展開する「イスラエル女子部」代表・三木ありささんに、イスラエル女性のSTEM分野での活躍ぶりを支えるプログラミング教育事情、日本女性が学べるイスラエル女性の持つ強みなどお話を聞きたいと思います。

– まず簡単に、ありささんがイスラエルに関わった経緯を教えていただいてもよろしいですか? 

大学生の時、現在勤めている企業でインターンをしたのがきっかけです。私はアメリカ生まれで3歳で帰国しました。大学生の頃、英語力が所謂“帰国子女”と勝負できない事に気づき、コンプレックスに感じてました。そこで、アメリカなど英語圏ではなくとも、世界で力を発揮するイスラエルを学べば、帰国子女たちとは“違う価値”を提供できると考えました。現在働いている企業は、イスラエル⇔日本の老舗であることがわかり、ジョインすることにしました。

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三木ありささん(写真中央)イスラエル訪問時にて撮影

– ずばりイスラエルの国や女性の魅力はどんなところにありますか?

イスラエル人の魅力は、「チャレンジ精神の強さ」と「愛情深さ」です。イスラエルでは「失敗も成功の基」ととらえ、むしろ失敗したことある人を褒めます。更に困った人を助ける慈悲深さを感じます。これは男女関係ありません。

– いまだに日米では理系女性は珍しいと思われがちですがイスラエルでは、大学進学やその先の進路について理系女性のイメージはどうなのでしょうか?

理系に対するジェンダーバイアスは、まず、ありません。というのも、大人たちが理系にポジティブだからです。

まず、教育現場においてイスラエルは20年以上前からプログラミングをはじめとするICT教育に力をいれてきました。その大人たちは今や30歳~40歳です。ビジネスの最前線にいます。

さらに「Sience bar」などお酒を飲みながらフランクに一流の理系教授と話すイベントが盛んで、理系でない大人たちも楽しんで学んでいます。(Science barの様子は下記動画にてイメージを掴んで頂けます。)

ただし理系大学に進む女性の割合は、アメリカとさほど変わりません。大きく異なるのは、職業選択のフェーズです。アメリカや日本などは、せっかく大学で理系に進んでも文転する学生が多いのですが、イスラエルは幼少期からのICT教育や理系で活躍する大人が多い事から、仕事にするアレルギーがなく、そのまま理系に進んでいます。ここが大きな差だと感じています。

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Science Barの様子。女性の研究者、教授なども積極的に運営に加わっている。

– 学校で習うプログラミングに秘密はあるのでしょうか?コードモンキーなどどのように活用されているのですか?

先進的な地域では、幼稚園からパソコンに慣れ、小学校では教科“コンピューターサイエンス”でプログラミングを、中学でサイバーセキュリティを、高校ではプロの開発者を目指します。

さらにコードモンキーは、理系甲子園“サイエンスオリンピック”内のコーディング部門に採択され、全小学校の75%が参加しています。このコーディングオリンピックは、地方予選と全国大会があり、注目度が高いイベントです。

特に大人(教師)も脳トレ感覚でコードモンキーにチャレンジしているのがユニークです。夢中になっている大人をみて、子供たちも熱中していく・・・ポジティブなスパイラルにあります。

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コーディングオリンピックの様子

– 日本の教育がイスラエルの教育から取り入れられる点はどんな点でしょう?

教えるのではなく「大人も一緒になって楽しめば、自ずと子供たちも夢中になる」点です。プログラミングなどハイテク分野は、大人よりも子供の方が得意であることが往々にしてあります。だから大人は無理して「教えよう」とはせず、むしろ一緒になって楽しく勉強すれば、自然と子供たちも熱中できると思っています。

– イスラエル女子部ではどんな活動をされているのですか?またどのように進化していく構想をお持ちなのでしょうか?

イスラエル女子部は、「Innovationで家庭も、仕事も、両ドリ」社会の実現を目指しています。というのも、イスラエルの出生率は「3.11人」でOECDナンバーワン。なおかつ、女性のマネジメントポジションのランキングもトップ10入りし、まさに「家庭も仕事も両ドリ」しています。ユニークなのは、この実現方法です。企業や政府のトップダウンだけでなく、市民が知恵をあつめて改善したボトムアップで勝ち取ってきました。

このイスラエル式の「家庭も仕事も両ドリ」メソッドは、少子高齢化で財源もない日本に大きなヒントになりえると信じています。

その為にイスラエル女子部では、イスラエルの知恵を集め、皆さんに伝えるべくメディアを作成しています。また、今年10月には「家庭も仕事も両ドリ」を学ぶサミットを準備をし、イスラエル大使館を巻き込もうとしています。

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「イスラエル女子部」のメンバーと

– Edtechや次世代教育の中で、女性はどのようにリーダーシップが発揮できるとお考えですか?

女性・男性という区切りは今後の社会はなくなってくると思います。そんな社会では、性別や年齢にとらわれず「自分が思うことを実現する力」のある人が支持され、力を発揮するのではないでしょうか?

今はまさにその転換期で、今「バイアス」を受けない教育を受けた子らが、今後活動するアドバンテージをもっていると思います。その為に今の大人たちが如何に「バイアス」を持たず子供に接することができるのか、大人たちの能力が問われていると思います。

– 最後に、ETW FBページをご覧になっている読者にメッセージをお願いします。

Edtechは日本の未来を一層明るくする業界だと思っています。私も微力ながらも頑張りますので、一緒に盛り上げられたら嬉しいです!

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