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Fresco Capital |Allison Baum氏インタビュー(女性エンパワメント編)

EdTechWomen – Tokyo (ETW) はEdTech領域で働く女性のリーダーシップ支援をするプロフェッショナルネットワークです。

前編:<イノベーション/教育編>に続き、今回はGlobal Education AdvocatorでありFresco Capital でリーダーを務める アリソン バウム氏に、女性エンパワメントの取り組みについてお話しを伺いたいと思います。

 

– アリソンさんが女性のエンパワメントについて携わることになった経緯やどんなことをされているか教えていただいてもいいですか?

女性へ教育することは統計的に国全体にポジティブな貢献をしていくと証明されています。経済成長、社会の非暴力化、気候変動の貢献など様々な面でポジティブな効果が実証されているんです。

といっても、女性は収入面で男性より常に優位ではない境遇にあります。ほとんど今存在する仕事は男性によって男性視点で作られているので、女性にとって成果を対等に評価されるのは難しくなっています。

でも、なぜ人は仕事をするのでしょう?それは生活のためにお金を稼ぐためです。女性もこの本質的な人として持って当然のゴールを追求することは当然だと思いますし、それは男性主体の組織に入るのではなく、女性自身がビジネスを創ることで達成できると考えています。彼女たちが足りないのは、起業のノウハウを学ぶ機会です。

だから私は女性向け起業教育に着目しています。起業するために必要な基本的なスキル、例えば会計、在庫管理、雇用、財務、商品開発などこういったものは実際簡単に学べるものでもあるので、こういった学習コンテンツを提供する団体をメンタリングを通して支援しています。

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コンファレンスにて

 

– 日本の女性エンパワメントについてはどういったことを考えていますか?現代の日本女性にはずばり何が必要でしょうか?

日本では、多くの女性を企業の最前線に取り込もうとウーマニクスの取り組みがありますよね。でも、日本ではサラリーマンの生活はとっても過酷というのはもう常識になっています。一般的にいうと(海外の企業カルチャーと比較しても)日本の企業カルチャーは長時間労働ですし、ストレスフルな環境で柔軟性に欠けています。これが、女性が日本の仕事現場で成功することを難しくしています。

でも私が思うのはなぜ女性は敢えて辛いとわかっている場所に行きたいのでしょう?! もし働く以外の選択肢が専業主婦になることだとしたら、

女性たちに「サラリーマンになろうとするのはやめませんか?あなた自身のビジネスを始めるかスタートアップに入った方が様々な面で良くないですか?」と伝えたいです。

もし私たちが日本の女性たちに起業の道か、もっとグローバルでやりがいのあり柔軟性に富んだスタートアップに入れるようなスキルをサポートすることができたら、ウーマニクスよりも効果的に日本経済全体の成長に貢献できると見ています。

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– 素晴らしい!日本女性に辛いと分かっている20世紀型体質の企業に入りましょうと言うのではなく、女性たちが21世紀型の企業を新しく創ればいい。といっても、特に日本女性は欧米の女性たちと比べて自信や自己肯定感が低いですし、起業に伴うリスクを取ろうというマインドセットも諸国と比べ低いというデータもあります。メンタル面のサポートはどんなことができると思いますか?

まずFearless (怖いものを恐れない)になりましょう。起業家になるのは男女問わず誰にとっても怖いことだし、リスクもあるしわからないことだらけです。でもFearlessになるということは、怖いという感情自体も受け入れること。怖いと感じるのは大丈夫なんです。誰も答えなんてもっていない、だからネガティブな感情も含めて全部受け入れるのです。

もう一つは、そういうネガティブな感情も話し合える相手を探しましょう。完璧な人なんていません、でも互いの未完成さを話し合うことで勇気をもらえますし誰かに相談すること(メンタリング) は実際にスタートアップの世界でも効果があると言われています。互いにサポートし合うことが大事です。

だからアドバイスとしては、分かち合える人がいるコミュニティを探しましょう。そしてもしそういったコミュニティが無かったら、創ってしまえばいいのです。難しくありません。

– 素敵ですね!コミュニティは創ってしまえばいい。勇気をもらえます。

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Stanford大学にて講演

 

– さいごに、サンフランシスコ/シリコンバレーに拠点を移されて、これからどんなことにチャレンジしたいと考えていますか?

シリコンバレーのベンチャーキャピタル界隈は日本と同じで男女差が顕著にあります。Women in VCなどベンチャーキャピタルで働く女性コミュニティはアクティブなのに、男性も含むネットワークイベントに行ったら女性は私一人だけだった、ということがつい最近ありました。

女性たちのマインドの中でもマイノリティという意識があり自分たちを隔離してしまっているのかもしれません。メインのネットワークイベントでも男性と女性が一緒に議論する、つながっていくようなことができるよう、何かできたらと考えてます。

あとは、これまで私がアジアで築いてきたネットワークやノウハウを生かしていきたい。さっき話した通りシリコンバレーの最先端の技術を使った商品の買い手がアジアにいるというアイディアを持っているので、そういった面で私なりの付加価値を出していきたいと考えています。

 

<編集後記>

アリソン氏の熱意、ビジョンの奥深さ、人を大切にする姿にインスピレーションをもらいました。きっと彼女はこれから、サンフランシスコ・シリコンバレーに根深く存在するジェンダーギャップの問題も解決に向け何か起こすに違いない、そう感じさせられました。これからも注目していきたい女性リーダーです。

 

《Profile|Allison Baum アリソン・バウム氏》
アメリカのHarvard大学を卒業。Fresco Capitalの以前はGoldman Sachsを経てNew York発のグローバルの革新的高等教育スタートアップ General Assemblyの初期メンバーとして香港で事業立ち上げに携わる。グローバルシェイパーズ・コミュニティーのメンバーであり、Wedu Globalで東南アジアの女性起業家のメンターなどを務める。2015年にはthe Forbes Asiaの30歳以下でもっとも有望なファイナンスとベンチャーキャピタルのメンバーの30人のうちの1人に選出された。

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Fresco Capital |Allison Baum氏インタビュー(イノベーション/教育編)

EdTechWomen – Tokyo (ETW) はEdTech領域で働く女性のリーダーシップ支援をするプロフェッショナルネットワークです。

EdTechとは、テクノロジーの力で教育の様々な問題を解決する事業全般を指していますが、EdTechを含め、世界中の様々な分野の問題をテクノロジーで解決する事業の支援にフォーカスする団体があります。

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Fresco Capital Homepageより

世界中の起業家をサポートするアーリーステージのベンチャーキャピタル、Fresco Capitalです。投資分野は教育から働き方改革からヘルスケア(医療)に渡り、「テクノロジーでグローバルの問題解決をするビジネス」を考えている起業家のミッションを非常に重視しています。

そこで今回は、Fresco Capitalの共同創業者、マネージングパートナーとしてこれまで三年間日本を拠点に活動され、”Global Education Adovocate (グローバル教育の提唱者)” であり、女性のエンパワーメントにも情熱をお持ちのAllison Baum(アリソン・バウム)氏にインタビューしました。

 

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日本にいた頃のアリソン氏

彼女が見る世界のイノベーティブな事業やEdtech、日本のEdtechや教育問題、女性のエンパワーメントについて、ちょうど先月東京から米国サンフランシスコに拠点を移されたばかりというタイミングでお話しを伺いました。イノベーション/教育編と女性エンパワメント編と二回に分けてご紹介します。

 

– これまで三年間東京で過ごされ、アメリカに戻ってきた今、どんな風に感じていますか?

正直に言うととっても不思議な感じです。東京に住む前は香港にも三年住んでいたから、私のキャリアのほとんどはアジアで過ごしたことになるんです。だからサンフランシスコに来てアメリカ人だというのに、アメリカ式の仕事のカルチャーに慣れるのに今必死です。

人脈やネットワークもこれから創っていくという感じです。ただ、若い時にアジアに居たことで自分がやりたいことに集中できて、内面的に成長できたと思います。アメリカにいたらきっと外からの期待やプレッシャーを感じていただろうと思ってます。

 

– 今サンフランシスコを拠点とされているアリソンさんのFresco Capitalでの役割は日本に居た時から変わりましたか?

私たちはグローバルのマーケットを対象にしているので、やりとりする会社の業種は少し変わると思いますが、基本的に私の役割は拠点を移しても同じです。

私の役割は主に大きく三つあって、まず、テクノロジーでグローバルの問題解決をしているユニークな起業家や会社を探すこと。そして彼らと一緒に仕事をしないかとアプローチします。二つ目は、会社が投資支援をすることになった後のサポートもやります。例えばどうやってセールス部門を立ち上げるか、人を雇うかとか学校や顧客と付き合うか、海外にビジネスを展開するか、などサポートします。三つ目は、私たちの支援対象は大企業も多いので、彼らの内部事業のデジタル化の支援、今後5〜10年に市場を創り出すテクノロジーについて、投資機会についてのアドバイスなど行っています。

 

– 投資先の起業家さんや大企業と寄り添って事業の成長をサポートされているんですね。例えば、アリソンさんがこの会社に事業支援をしたい、と決める時の基準はありますか?起業家さんのどんなところを重視しますか?

多くの起業家は、プロダクト自体の”Product Market Fit (商品がどう市場にフィットするか) ” について語ろうとしますが、私たちは”Founder Market Fit (起業家自身がどう市場にフィットするか)”について重視しています。例えばEdTechの事業だったら、起業家自身が教育事業に携わっていた経験があったかどうか、その市場の常識について常に問いかける姿勢を持っているかどうかが事業の成功に向け重要になってくると思っています。

– 日本を拠点に活動する起業家たちについて、どのような点がグローバルの市場の中で強みになってくるのでしょう?

日本は課題先進国という意味で世界の中でとてもユニークな市場です。高齢化、仕事の自動化、経済成長の停滞、都市化問題などは今後次世代に渡り世界の他の国も経験していくことですが、どれも日本が最初に経験します。スタートアップ企業にとって、成功するために最も大事な要素は、”マーケットタイミング” (どのタイミングで導入するか)です。

最先端のテクノロジーを開発するスタートアップ企業は、シリコンバレー、ニューヨーク、ロンドン、中国などに今は集中していますが、彼らはビジネスモデルを考えるのに苦労しています。なぜなら、そこに住む人々はまだそういった先進的な商品にお金を払いたいと思うレベルまで来ていないからです。私たちは、日本はニーズが既にあり、最先端の技術を使ったソリューションにお金を払う意思があり条件が揃っている市場だと考え、チャンスがあると見ています。

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– 外国企業にとって課題先進国の日本市場は直近の顧客候補として魅力的なのですね。一方、日本内部では電子マネーなどデジタル化がアメリカや中国と比べ出遅れていたり、特に教育面では学校のデジタル設備がまだ整っておらずEdTechの浸透が他国と比べ出遅れています。どのような点が日本が教育イノベーションを推進していく上で課題だと思いますか?

EdTech事業に取り組む際に一番もどかしい面は、常に教育は他の領域のシステムと切り離せないところです。アメリカの教育で最大の課題は、高いドロップアウト率、低いテストのスコアと不平等なリソースの配分(教育格差)です。日本をはじめとしたアジアの国は既にこういった問題は解決できていると思います。日本のドロップアウト率はほぼゼロだし教育資源は効率的に分配され、テストスコアも世界の中で最も高い国の一つです。

とはいっても、私が日本で日本人のEdTech起業家たちに会う時、彼らはよく「アメリカの教育を目指して日本の教育を変革していきたい。」と話していました。隣の芝生は青く見える、ではないですけれども、日本独自のこれまで文化、政治、経済的な要素が複雑に絡んで教育システムが創られてきたことについてまず理解をすることが大事なのではと思います。

また、これは日本だけでなく他の国でも共通することかもしれませんが、日本の教育者は、生徒に新しいことにトライし既存のシステムを飛び越え、失敗を恐れない姿勢を教える必要があると思います。このような”イノベーティブな考え方”が教育界の各ステークホルダー間で浸透していないことが日本のEdTech普及での問題なのではないでしょうか。例えば多様性の欠如と集団との調和を追求する文化です。人それぞれ学び方は違うのにも関わらず、システムに合わせることを学習者に求めてしまっています。でも、それ自身、今の日本の教育にある”考え方”も、これまで日本の文化的、社会的側面から出来てきた根強いもの。この相反する矛盾が変革を難しくしていると考えます。

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この難解な問題に対して、唯一の解決策として、多様な考え方、学び方、教え方に触れていくことが肝となるのではと思います。例えば他国の教育システムに触れる機会を創ることです。私は”Global Education Advocate”、グローバルでEdTechを推進する立場にいる者として、教育者たちに、”自国のユニークな強みを生かし、他国のベストプラクティスを借りていきませんか”と伝えていく責任があると感じています。Frescoでも世界中の教育者たちが他国の教育事例に触れられ交流できるような機会を創れないかと今模索してます。

 

– 20世紀型教育から脱却し21世紀型教育を創る過渡期にいる日米の教育者は自信がなく他国の事例が良く見えてしまうのですね。逆にいま、グローバル共通のEdTechの問題をどう見ていますか?

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先ほど言ったように日本だけでなくPersonalized Learning (学びの個別化)は様々な国もチャレンジしているのではないでしょうか。主に三つの点で。

一つは、質の高い教材の開発をしていくこと。学習者全員に同じ内容を提供するのではなく、それぞれの学習者が自分にあった最適な学び方で効果的に学べるような、”Learning how to learn” にフォーカスした教材が必要です。学習者の強みを生かすことができ眠っていた才能を開花する手助けができるのではないでしょうか。

二つ目は、査定方法を整え成果を証明していくこと。これはまだ新しい分野であるからこそ難しい点ですが、個別化学習をした上で、テストの点数とは違った形でどう成果を評価していくか。

三つ目は、学校や先生たちがこれまでの教育システムから新しい学びに対して上手く順応するサポートをしていくこと。テストの点数ではない査定方法で、生徒一人一人の成果を見ていくことについて、従来の査定方法ではないので、先生だけでなく、保護者も戸惑うのではないでしょうか。

Frescoとしてもこういったサポートを考慮にいれたAdaptive Learningを提供している事業を支援していきたいと考えています。
(次編:女性エンパワメント編に続く)

 

《Profile|Allison Baum アリソン・バウム氏》
アメリカのHarvard大学を卒業。Fresco Capitalの以前はGoldman Sachsを経てNew York発のグローバルの革新的高等教育スタートアップ General Assemblyの初期メンバーとして香港で事業立ち上げに携わる。グローバルシェイパーズ・コミュニティーのメンバーであり、Wedu Globalで東南アジアの女性起業家のメンターなどを務める。2015年にはthe Forbes Asiaの30歳以下でもっとも有望なファイナンスとベンチャーキャピタルのメンバーの30人のうちの1人に選出された。

イスラエル:高い女性エンジニア率の秘密。三木ありささんインタビュー

EdTechWomen – Tokyo (ETW) はEdTech領域で働く女性のリーダーシップ支援をするプロフェッショナルネットワークです。

イスラエルの女性の理系、エンジニア率は米国よりも高く、女性のSTEM分野 (Science, Technology, Engineering, and Math) 活動は世界の中でも高水準だと注目を浴びています。その背景としてイスラエルの「プログラミング教育」や「Science Bar」などイスラエルならではのカルチャーにヒントが隠されています

そこで今回は、イスラエルのプログラミング教育の代表的な教材「CodeMonkey(コードモンキー)」の日本進出を助けながら、仕事も家庭も両立上手なイスラエル女性のパワフルな文化を日本に展開する「イスラエル女子部」代表・三木ありささんに、イスラエル女性のSTEM分野での活躍ぶりを支えるプログラミング教育事情、日本女性が学べるイスラエル女性の持つ強みなどお話を聞きたいと思います。

– まず簡単に、ありささんがイスラエルに関わった経緯を教えていただいてもよろしいですか? 

大学生の時、現在勤めている企業でインターンをしたのがきっかけです。私はアメリカ生まれで3歳で帰国しました。大学生の頃、英語力が所謂“帰国子女”と勝負できない事に気づき、コンプレックスに感じてました。そこで、アメリカなど英語圏ではなくとも、世界で力を発揮するイスラエルを学べば、帰国子女たちとは“違う価値”を提供できると考えました。現在働いている企業は、イスラエル⇔日本の老舗であることがわかり、ジョインすることにしました。

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三木ありささん(写真中央)イスラエル訪問時にて撮影

– ずばりイスラエルの国や女性の魅力はどんなところにありますか?

イスラエル人の魅力は、「チャレンジ精神の強さ」と「愛情深さ」です。イスラエルでは「失敗も成功の基」ととらえ、むしろ失敗したことある人を褒めます。更に困った人を助ける慈悲深さを感じます。これは男女関係ありません。

– いまだに日米では理系女性は珍しいと思われがちですがイスラエルでは、大学進学やその先の進路について理系女性のイメージはどうなのでしょうか?

理系に対するジェンダーバイアスは、まず、ありません。というのも、大人たちが理系にポジティブだからです。

まず、教育現場においてイスラエルは20年以上前からプログラミングをはじめとするICT教育に力をいれてきました。その大人たちは今や30歳~40歳です。ビジネスの最前線にいます。

さらに「Sience bar」などお酒を飲みながらフランクに一流の理系教授と話すイベントが盛んで、理系でない大人たちも楽しんで学んでいます。(Science barの様子は下記動画にてイメージを掴んで頂けます。)

ただし理系大学に進む女性の割合は、アメリカとさほど変わりません。大きく異なるのは、職業選択のフェーズです。アメリカや日本などは、せっかく大学で理系に進んでも文転する学生が多いのですが、イスラエルは幼少期からのICT教育や理系で活躍する大人が多い事から、仕事にするアレルギーがなく、そのまま理系に進んでいます。ここが大きな差だと感じています。

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Science Barの様子。女性の研究者、教授なども積極的に運営に加わっている。

– 学校で習うプログラミングに秘密はあるのでしょうか?コードモンキーなどどのように活用されているのですか?

先進的な地域では、幼稚園からパソコンに慣れ、小学校では教科“コンピューターサイエンス”でプログラミングを、中学でサイバーセキュリティを、高校ではプロの開発者を目指します。

さらにコードモンキーは、理系甲子園“サイエンスオリンピック”内のコーディング部門に採択され、全小学校の75%が参加しています。このコーディングオリンピックは、地方予選と全国大会があり、注目度が高いイベントです。

特に大人(教師)も脳トレ感覚でコードモンキーにチャレンジしているのがユニークです。夢中になっている大人をみて、子供たちも熱中していく・・・ポジティブなスパイラルにあります。

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コーディングオリンピックの様子

– 日本の教育がイスラエルの教育から取り入れられる点はどんな点でしょう?

教えるのではなく「大人も一緒になって楽しめば、自ずと子供たちも夢中になる」点です。プログラミングなどハイテク分野は、大人よりも子供の方が得意であることが往々にしてあります。だから大人は無理して「教えよう」とはせず、むしろ一緒になって楽しく勉強すれば、自然と子供たちも熱中できると思っています。

– イスラエル女子部ではどんな活動をされているのですか?またどのように進化していく構想をお持ちなのでしょうか?

イスラエル女子部は、「Innovationで家庭も、仕事も、両ドリ」社会の実現を目指しています。というのも、イスラエルの出生率は「3.11人」でOECDナンバーワン。なおかつ、女性のマネジメントポジションのランキングもトップ10入りし、まさに「家庭も仕事も両ドリ」しています。ユニークなのは、この実現方法です。企業や政府のトップダウンだけでなく、市民が知恵をあつめて改善したボトムアップで勝ち取ってきました。

このイスラエル式の「家庭も仕事も両ドリ」メソッドは、少子高齢化で財源もない日本に大きなヒントになりえると信じています。

その為にイスラエル女子部では、イスラエルの知恵を集め、皆さんに伝えるべくメディアを作成しています。また、今年10月には「家庭も仕事も両ドリ」を学ぶサミットを準備をし、イスラエル大使館を巻き込もうとしています。

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「イスラエル女子部」のメンバーと

– Edtechや次世代教育の中で、女性はどのようにリーダーシップが発揮できるとお考えですか?

女性・男性という区切りは今後の社会はなくなってくると思います。そんな社会では、性別や年齢にとらわれず「自分が思うことを実現する力」のある人が支持され、力を発揮するのではないでしょうか?

今はまさにその転換期で、今「バイアス」を受けない教育を受けた子らが、今後活動するアドバンテージをもっていると思います。その為に今の大人たちが如何に「バイアス」を持たず子供に接することができるのか、大人たちの能力が問われていると思います。

– 最後に、ETW FBページをご覧になっている読者にメッセージをお願いします。

Edtechは日本の未来を一層明るくする業界だと思っています。私も微力ながらも頑張りますので、一緒に盛り上げられたら嬉しいです!

教育は工業モデルから農業モデルへ

こんにちは。こたえのない学校の藤原さとです。

今までに43万回というTED Talk史上最多の再生回数を誇る「Do Schools Kill Creativity?~学校教育は創造性を殺してしまっている?」のスピーカーのケン・ロビンソン。

最近EdSurgeで、“Kids Don’t Fail, Schools Fail Kids: Sir Ken Robinson on the ‘Learning Revolution’”という記事が出ていましたので、本日は彼について書こうと思います。

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写真:TED Talks より

ケン・ロビンソンは、英国ウオーリック大学で、芸術教育の分野で12年間教授を勤め、現在は同大学の名誉教授兼、教育アドバイザーをしています。彼の“Finding Your Element ~How to Discover your Talents and Passions and Transform Your Life”は世界中でベストセラーになりました。 

Do Schools Kill Creativity?~学校教育は創造性を殺してしまっている?(動画は以下)

ここでの彼のメッセージは、非常にクリアで、彼は人の才能(human resources)は天然資源(natural resources)と同じで、探さないと見つからないし、表層に転がっているものでもないといいます。才能が現れる状況を作り出すことが教育の役割あり、それぞれの個性に合わせた教育(Personalized Education)が必要だと熱く語りました。

彼は、今の学校教育の在り方は、19世紀の産業界の要請によるものであり、“産業界にとって「都合の良い」人材を低コストで生産できるシステム“であり、もしこうしたこういう教科の考え方や、学校の目的が学校の成績だけを“知性”とみなしているのであれば、学校は他の眠っているクリエイティビティを潰してしまっている場に他ならないと批判します。

<エレメントを見つける>

彼は人生において、自分の「エレメント」を見つけることが何より重要だと言っています。「エレメント」とは、「自分の才能と情熱が出会う場所」を意味し、それは、「自分にとって、それをするのが自然に感じられること」だといいます。

孔子の言葉に「自分の愛する仕事を選びなさい、そうすれば人生で一日も働かずに済む」というものがあるそうですが、現代社会において、非常に多くの人が人生の目的を持っておらず、そうすることで本人ばかりでなく、何よりも社会がその代償を支払っていると彼はいいます。

“Finding Your Element”の中で、エレメント探しは個人的な「探求の旅」である(中略)探求には冒険や危険がつきもので、結果も不確実である。また、エレメント探しは、二方向への旅である。「あなたの中にあるものを探る内なる旅」と「外の世界での機会を探す外界での旅」。誰もが二つの世界に住んでいる。(中略)人は内なる世界を通してしか、外の世界を知ることはできない。という記述がありました。

本来教育というものはそれらの「旅」をサポートしたり、後押ししたりするべきものなのに、逆にエレメント探しを否定したり、外での機会は要求された唯一の道のようにみせたりすることで、子どもたちのエレメント探しの感性をどんどん鈍らせていくのです。

<教育は工業モデルから農業モデルへ>

人の才能はそれぞれ違うし、情熱をもつところもその強さもそれぞれ違います。

彼のスピーチの中で、非常に共感したのが、「教育は工業モデルから農業モデルへ」という言葉でした。

早くぐいぐい育つ子もいれば、ゆっくりさんもいる。栄養も水もたっぷり必要な子がいれば、厳しい環境でも生きていける子もいる。豆も、ホウレンソウも、イチゴもみんな子どもで、それぞれがそれぞれの役割を持っている・・と考えるとなんだかワクワクしてきます。

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先生も、基本的な農業技術にあたる教育の技術は当然にして必要ですが、先生だって、豆であり、ホウレンソウであり、イチゴであるところがポイントかもしれません。神様が教育するわけではないから、完璧でなかったり失敗することもあります。そんなことも許容しながら、いろいろな子どもたちが、その多様性を認め、育ち方も、味もバラバラながらお互いを認め合い、将来を支えていくような社会になると素敵だな、と思うのでした。

<Technologyと教育の未来>

なお、EdSurgeの記事でケンロビンソンが推奨する農業モデルの(Personalizationを実現している)学校が二つ紹介されていました。

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写真:Minddrive HP

 

カンザスにある、成績が厳しい高校生が通うSTEAM (Science, Technology, Engineering, Art and Mathmatic:理数工学美術に特化したプログラム) 中心のアフタースクールです。子どもたちは、コミュニティと一緒に自動車のデザインやデジタルアートをテーマにしたプロジェクト型の学びの場を実施します。

Orchard Gardens

マサチューセッツ州にあるもともと最低レベルの評価を受けていた学校が、最高標準のカリキュラムと芸術教育、プログラミング学習への集中により大きな変化を遂げています。

社会の中で生きている私たち、そして、未来の社会に生きていく子供たちにとって、コミュニティの中で育ったり、テクノロジーに触れ、大きくかかわっていくことは、ケン・ロビンソンの目にも自然に映っているようです。「農業モデル」をテクノロジーが支えるのです。

すべての子が「エレメント」を見つけ、最上の人生を歩めますように。そんな願いをこの記事は伝えてくれているような気がします。

身近なEdTech 「ロボット先生とこっそり英語の発音特訓」

こんにちは。EdTechWomanTokyoメンバーの識名由佳です。

教育 × テクノロジーで世界の教育はガラッと変わる!と言われ続けて久しいですが、その変化を身近に感じる機会はあまり多くはないのではないでしょうか。

今回は、どなたでもすぐに試せて、「1対1の家庭教師よりも、コスト面はもちろん質の面で優れているな」と感じたEdTech事例をご紹介したいと思います。

地味ながら、今後の可能性を感じさせる無料のスマホアプリ「発音博士」です。

英語の発音にコンプレックスのある日本人はとても多いですよね。英語バージョンのSiriやAlexaに反応してもらえず傷ついたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私もその一人で、飛行機で「water」や「coffee」など簡単な単語すら聞き取ってもらえず、ますます英語コンプレックスを拗らせてきた自負があります。

発音博士アプリでは、そんな内気な方でも一人でこっそり練習することができます

私の強い日本語訛りの英語が徐々に上達していく様子を動画に収めました(約1分20秒)

動画をみる時間のない方のために簡単に説明いたします。

 

1 練習したい単語を選ぶ

2 お手本の発音を聞く

3 実際に発音してみる

4 自分の発音がどう聞こえているのか、発音記号で表示される

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5 自分の発音記号を見ながら、お手本と自分の違いを聴き比べる

6 再度チャレンジ

 

このステップを100点が取れるまで繰り返します。

このステップのうち、人間の先生が勝てないと感じたのは

「4 自分の発音がどう聞こえているのか、発音記号で表示される」と

「5 自分の発音記号を見ながら、お手本と自分の違いを聴き比べる」ことです。

 

ネイティブの発音に憧れて、1対1のレッスンに通ったこともありますが、

・自分の発音のどこがどう違うのか細かくはわからない

・何回も繰り返し、たまたまGoodをもらえた時も、なぜGoodになったのかわからず再現性が低い。

・次の日には正しい発音を忘れてしまう上に、忘れているのかどうかを確かめることもできない。

・上達実感がわかない。

という状況から、頓挫してしまいました。

 

この「詳細」かつ「即時」のフィードバックは機械ならでは、ではないでしょうか。私は、自分にどういう癖があるのか、このアプリで初めて知ることができました。

英語で大切なのは個々の単語の発音よりも、イントネーションやアクセントだそうです。このアプリでは単語の練習しかできませんが、そのうち誰かが文章全体を訓練できるサービスを開発してくれるのではないかと期待しています。

英語に限らず、他の様々な教科での応用も期待できます。

集団授業よりも家庭教師を選ぶメリットの一つは、生徒個別の誤答分析をその場でしてもらえることです。

「どこをどのようになぜ(where/how/why)間違えているのか」を即時フィードバック

つまづきポイントに応じた解説や演習を提供できる

 

英語博士アプリは①の点で人間より優れていると言えます。

今後、多くの人の誤答を集めて分析を行えば、②で人間を超えることも難しくないでしょう。

 

ただし、このアプリ、初めはゲーム感覚でとても楽しいのですが、一人でコツコツクリアする必要があり、途中で飽きてしまいました。スケジューラーに予定を入れ、Siriにリマインドしてもらうことも試しましたが、私の場合、AIアシスタントに怒られても特に何も感じません。

ゲーミフィケーションなのか、クラスメイトからのピアプレッシャーなのか、励ましてくれるコーチの存在なのか、学習のモチベーションや継続のためには、また別の仕組みが必要そうです。

「やる気スイッチ」が入るような商品が出てきてくれないかな〜。例えば、脳に電流を流し集中力をあげるバイオエレクトロニックセラピーと言われるこんなサービスなども出ているようです。

 

それでは、また次回!

EdTechWomen Voice はじめます

こんにちは。EdTechWomen Tokyo ファウンダーの橋本智恵です。

わたしたちは日本の教育テクノロジー分野で働く女性コミュニティです。

企業、起業家、学習塾、学校関係者、NPO、官庁など様々な職種の女性たちが集い、ナレッジ共有、ネットワーキングをする場を創っています。

それぞれの専門分野から見た多様な意見を共有し、ざっくばらんに会話をしたり、メンバー間でコラボレーションを行ってきました。

これまではわたしたちのナレッジをコミュニティの中で共有してきましたが、2018年度はコミュニティの外のみなさまにも私たちの”Voice”として発信していきたいと考えています。

個性が光り、それぞれの分野で活躍するEdTechWomen メンバーが考える “教育テクノロジーが日本の未来に果たす役割” をさまざまな角度から発信していきたいとおもいます。

主に、

  • テーマを軸としたメンバー個人の意見 (21世紀教育 / 世界のEdTech事情 など)
  • メンバーがキュレートする国内外の事例紹介
  • メンバー自身のインタビュー

を通して発信していきます。

このEdTechWomenメンバーが発信する”Voice”の集合体を通して、みなさまと未来の教育について会話をするきっかけを創り出していきたいです。

連載は月に2回を目安にメンバーで交代で行っていきます。次回の連載をぜひお楽しみに!!

EdTechWomen Tokyo一同より

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